ビジネス2016年6月23日

コストを下げる適正在庫の考え方

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企業にとって在庫はコストになります。なぜなら、倉庫を借りている場合には賃料や光熱費、管理費がかかるからです。また、在庫が余っていることは、事業がうまく回転していない問題を抱えています。製造業では原材料や部品、半製品や仕掛かり品が余っていることであり、小売業では商品が売れ残っていることを示します。在庫の適正化とコストを低減させる考え方を紹介します。

まず現状を把握すること

在庫には「実在庫(物理在庫)」と「理論在庫」があります。実在庫とは、その名の通り倉庫にある材料や商品です。一方で理論在庫は帳簿上の在庫であり、情報システム上でデータとして入力されている在庫です。
問題は、この実在庫と理論在庫の数に違いが生じることです。なぜ違いが生じるかといえば、実際には取引で在庫数が変動しているにも関わらず、システムに入力が遅れていることなどがあります。
実在庫と理論在庫にギャップがあると、システム上では適正化されているはずなのに、倉庫にはたくさんの在庫を抱えている状態になります。
また、オートメーション化されて在庫数をチェックすることができれば効率化できますが、実際は、複数の管理スタッフがアナログで在庫を数えていることもあります。この場合、在庫管理の人件費がかかります。
まずやるべきことは、実在庫数の確認と理論在庫との差を把握することです。倉庫を維持するための費用と、在庫管理を人間の手で行っているのであれば、人件費のコストも把握すべきです。

適正在庫を予測し、目安を算出する

実在庫と理論在庫の現状、管理コストを把握したら、次に在庫を適正化するための計画を立てます。
製造業であれば、原材料や部品を製品として倉庫から搬出できる日数と発注数が重要です。小売業であれば、商品の回転率です。過去の実績から適正な指標を見出します。
適正在庫の指標としては「製品回転率」が用いられます。計算式は「売上高÷平均在庫高」です。製品回転率が高ければ、それだけ製品が売上に変わったことを表します。低い場合には滞留している在庫をチェックする必要があります。製品回転率を高めるには、発注を予測して部品や原材料、商品をストックしておき、納品までのリードタイムを短縮させることが重要です。発注があってから材料や商品を入荷した場合には、製品の回転が滞ります。
生産管理システムや在庫管理システムなどを導入して、需要予測を行う対策が効率的でしょう。常にリアルタイムで入荷、在庫、出荷の状況を把握することが大切です。

製品が多数ある場合にはABC分析を用いる

現在、製造業や小売業で時代の主流は、多品種少量生産です。消費者のニーズが多様化することにより、さまざまな商品バリエーションが求められるようになりました。
製品が多様化すると、それだけ在庫管理も煩雑になります。このような場合には、「ABC分析」を行うとよいでしょう。
ABC分析は、重点的に管理すべき製品を見出すための手法です。それぞれの製品で月ごとに売上高を集計し、売上高順に並べます。そして構成比の70〜80%を主力製品群のA、80〜90%を準主力製品群のB、90〜100%をその他のCとして分類します。このようにして管理の優先順位を決めます。
ただし注意しなければならない点は、売上高の高い製品が必ずしも収益性に優れているとはいえないことです。したがって、粗利益をもとに分類する場合もあります。
さらに、この分析は過去のデータに基づいています。製品の陳腐化が激しい現在では、ABCのグループ構成が入れ替わる頻度も高くなっています。最新の情報を反映して、迅速に重点製品の管理を行う必要があるでしょう。

まとめ

コストを下げる在庫管理は、在庫の実態を把握すること、適正在庫の指標を立てること、そして重点的に管理する製品を明確にすることの3つがポイントです。この考え方をもとに実践することで、経営の効率化を図ることができます。

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