ビジネス2016年6月23日

信頼と価値を醸成するブランディングの手法

412398076.jpg

ブランドというと、高級品あるいはそのロゴを思い浮かべることが多いかもしれません。しかしブランドは品物でもなければ、ロゴマークでもありません。ブランドは消費者との品質に対する約束であり、モノではなく消費者の心の中に形成される信頼です。企業のブランドも同様です。顧客の心の中に形成される「この企業は信頼できる」という確信がブランドです。

ブランディングとは。

ブランドの語源は、放牧された牛に押された「焼き印」です。つまり、牛の飼い主が自分の牛を判別できるように、名前の焼き印を押したことがブランドの起源です。転じて、その商品が本物であることを示すロゴや名称を示すようになりました。したがって、ブランディングの根本には「差別化」があります。
差別化の具体例として、ロゴやネーミングも重要です。高級な素材を使ったデザインや、所有することでステイタスが上がるイメージづくりが求められます。
しかし、ブランディングの本質は、イメージだけではありません。企業も製品も、顧客に高いクオリティを保証する約束がブランドです。ブランド価値は、長い時間をかけて顧客の中に蓄積されます。食品業界では、異物混入などによってブランドイメージが低下する不祥事がニュースで報道されることがあります。重要なことは、杜撰な生産管理によって、お客様の信頼が失われてしまったことです。
ロゴやネーミング、商品イメージだけがブランドではありません。「この企業の製品なら高価であっても安心して購入する」という忠誠心(ロイヤルティ)がブランディングでは重要です。

環境分析によるブランディング。

企業、製品や商品、サービスをブランディングするには、ターゲット、コンセプト、ポジショニングの3つの視点が重要です。
ターゲットは「誰を対象としたブランドか?」ということです。ファッションブランドでは、メンズ、レディースのように性別で分かれ、フォーマル、カジュアル、アクティブなど対象によってブランドが設けられることがあります。年齢でブランドを構成する場合もあります。
コンセプトは、たとえば「大人可愛い」のようにブランドの方向性を示すものです。ライフスタイルの提案が重要になります。商品のデザインやネーミング、ターゲットと一貫性を持たせる目的があります。
ポジショニングは、そのブランドの位置付けです。競合他社の商品との差別化は、ポジショニングマップというマトリクスで表現します。
ターゲット、コンセプト、ポジショニングは、時代のトレンドや社会動向などの環境を分析して決めていきます。

ブランディングは企業の資産。

なぜブランディングが重要かといえば、ブランディングの生み出す価値が企業の資産になるからです。
ブランドが顧客に認知され、信頼性が向上すると「この会社の製品なら安心」「このブランド商品なら満足できる」というように、広告宣伝に投資しなくても、無条件に購入してもらえるファンが醸成されます。平面的なデザインに限りません。あるプロセッサを搭載しているパソコンのテレビCMには、最後にロゴと同時に独特のサウンドロゴが入ります。このことによって「その企業のプロセッサを搭載しているので高性能である」ことを訴求しています。
ブランディングで市場に揺るぎない地位を確立すると、後発の企業は参入が困難になります。ブランド認知が浸透しているため、新たなブランドは名称さえ覚えてもらえない状況になるからです。競合企業に対して優位性を獲得するためにも、ブランディングは重要です。
またブランドステートメントというお客様に対する約束を文章化して、企業の社員の行動規範として徹底する必要もあります。ブランディングはロゴや商品にとどまらず、社員がお客様にどのように対応するかというところまで徹底して、初めて成り立つものです。

まとめ

ブランディングは、ネーミングやロゴのデザインを変えればいいという表層的なものではありません。背景にある思想や、お客様に対する約束をあらゆる面から守り続けることが大切です。ブランド形成には長い時間がかかります。