ビジネス2016年6月23日

ビジネスアイデアだけでもビジネスモデル特許はとれますか?

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「ビジネスモデル特許」という言葉を耳にされたことはあるでしょうか。ビジネスモデル特許という言葉からは、優れたビジネスアイデアがあれば特許を取得できると誤解しがちなのですが、すべてのビジネスアイデアが特許取得できるわけではありません。ビジネスアイデアで特許を取得するためにはどういう条件を満たさなくてはいけないのか、具体例を交えて紹介します。

ビジネスアイデアと特許

ビジネスアイデアと特許については特許庁のホームページに「ビジネス方法の特許について」というコンテンツで紹介されています。結論から言うと、アイデアそのものではなく「コンピュータを利用したビジネス関連発明(=ソフトウェア)」であれば特許を取得できる可能性があります。
特許庁によると、特許に該当するためには、「発明」「新規性」「進捗性」といった要件を満たす必要があります。残念ながら、ビジネスアイデアそのものについては、ゲームのルールと同様の「人為的取り決め」に該当するとして「発明」とはみなされません。しかし、「アイデアを具体的に実現しようとする場合には、そのソフトウェアの創作」については「発明」とみなされます。
しかし、それだけではなく、「ある発明が公知の発明と同じものではないか(新規性)」、「同じではないものの専門家であれば容易に思いつくようなものではなかったか(進歩性)」等の条件も満たさなくては特許は取得できません。
逆に言うとビジネスアイデアを、ソフトウェアの創作によって形にした上で、新規性や進捗性が認められれば特許を取得できる可能性があります。

ビジネスアイデアからの特許事例1:花の販売(特開平9-204466号)

ビジネスモデル特許を取得した事例の一つにインターネットを通じた花の販売方法があります。
販売業者はあらかじめサーバ上に花や花卉、ラッピング等の情報を登録します。購入者は自分のパソコンから販売業者のホームページへアクセスし、自分の希望する花や花卉、ラッピングを選択すると、選択した花などを用いた何種類かのフラワーアレンジメントをパソコン上で確認できます。表示されたフラワーアレンジメントの中から、希望したイメージ通りの花束をインターネットを通じて購入するサービスです。
この事例では、従来、店頭で花束を購入する手順を、インターネットを通じて実現したことが「発明」とみなされ、完成した花束のイメージをバーチャルに確認できる点が「新規性」「進捗性」として評価されたようです。
従来あったビジネス方法をインターネットを通じてさらに発展させた特許です。

ビジネスアイデアからの特許事例2:パーフェクト口座(特開2000-82101号)

三井住友銀行のパーフェクト口座は「日々の面倒な売掛金等の入金照合事務について、請求先ごとに別々の被振込専用口座の口座番号を準備しますので、入金照合作業を効率化する」サービスとして特許を取得しました(三井住友銀行HPより)。
コンピュータというインフラが利用できるようになってはじめて、被振込専用口座への入金と本口座との紐付をリアルタイムで実現することが可能になった、従来は不可能であった新しいビジネス方法です。本件については、他行でも同様の取り組みを進めていたことから、「新規性」や「進捗性」に疑問があると特許の取り消しを求める異議申し立てがありました。しかし、特許庁により却下されています。

まとめ

このように、事業方法や営業方法そのものは特許の対象ではありませんが、「コンピュータを利用したビジネス関連発明」については特許が取得できるケースがあります。また、取得されているビジネスモデル特許には、以前から実施されていたビジネスの方法をコンピュータやインターネット等のインフラを利用して実現するものと、コンピュータやインターネット等のインフラを利用して始めて実現できるようになった新しい方法と大きく二つの傾向があります。