ビジネス2016年6月20日

収益力向上のために解決すべき課題と強化のポイント

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収益確保のためにシェア確保が最優先戦略課題でない限り、低成長時代や競合の激しい事業分野では売上規模の拡大志向は経営危機に陥るリスクが高まります。しかし、一方で収益重視は守りの経営で飛躍のチャンスを逃すリスクがあります。売上拡大という攻撃と収益を維持するという守りの経営のバランスを取りながら収益力を向上させていくことが重要です。そこで収益力を向上させるために必要な考え方、課題、対策のポイントについて解説します。

収益力向上のために必要な課題と対策のポイント

収益力を上げるには「費用を増やさずに売上増」「利益率の高い商品の販売増」「効率的な販売を目指し経費の削減」の3つの方法があります。いずれも言葉では簡単ですが、実現には大きな困難が伴います。3つの方法のうち、どれが重視するかは置かれている事業環境によって異なります。必要なことは収益力が悪化しているなら、何が原因かを明確にすることです。場当たり的に効率を追い求めるあまり必要な人件費・販促費を削り過ぎたり、逆に売上維持に固執して無駄な費用を投下し続けたりする一貫性のない経営をしてはいけません。
収益力を上げるためには必要な経営上の課題を明確にし、収益力を低下させる「売上減」と「固定費・変動費の増加」をもたらす要因をまず明らかにします。「売上減」の要因には販売数量の減少と販売単価の低下、総顧客(来店者)数・優良顧客数の減少、競合激化、代替新商品の発売などさまざまな理由が考えられます。それぞれについて対策をする場合の費用と効果を見積もり、どの対策がもっとも効果的かをシミュレーションすることが重要です。
「固定費・変動費の増加」に関しても、固定費、変動費別に費用の大きな項目から順にできるだけ細かく分けて経費削減をシミュレーションします。その後で、限界利益の大きな商品順に売上を増やす対策を「売上減」対策と併せて検討します。

収益力を上げるためにまず行うべきこと

収益力を上げるには、まず最低限の利益がなければ、収益力以前の問題で収益力を継続して上げる対策も行えません。基礎体力のない人が、いきなり筋力アップのために負荷のかかる有酸素運動を一生懸命やっても続かないことと同じです。収益力を上げるには、一時的な収益悪化が避けられないことも考えられます。
利益率の高い商品をできるだけ多く売れば収益力は強化できます。しかし、そのためには新商品企画力・技術開発力・品質の強化、およびマーケティング力・広告販促・営業力・マーチャンダイジング力の強化、または教育投資コストやマネジメント力強化などが必要です。これらのさまざまな強化策の優先順位を検討し、費用を削ることのほか、逆に費用をかけなければならないことには費用を追加します。
それができるには、収益力の強化に必要な最低限の利益を確保しなければなりません。または現状の利益の範囲で行える収益力の強化策を明確にしなければ、収益強化を目指しても絵に描いた餅で終わります。

収益力を強化するために行うべき8つのポイント

収益力強化の対策を効果的に行うには以下のポイントを押さえて行います。

(1)経営者と従業員の危機意識の共有

多くの場合、経営者にのみ危機感があって従業員にはそれがうまく伝わっていません。経営者として従業員のモチベーションを高められないと危機意識の共有ができません。

(2)不採算事業・従業員の見直し・整理

経営者として未練を持ちすぎず、情実や情緒に流されない決断力が求められます。

(3)人材活用・育成

経営者1人では収益力の強化は行えません。収益力の強化には、それを実行する従業員の力が必要です。人材教育投資、思い切った活用などでモチベーションを高めないと立派な対策でも成功しません。

(4)経営計画の明確化

経営計画なしに収益力の強化を行うことは地図なしに登山するようなもので進むべき道がすぐに見えなくなります。

(5)顧客目線で自社の強みを強化・訴求

いくら優れた強化策であっても顧客に支持されなければ継続できません。

(6)5Sの徹底

「5S」とは、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」のことですが、これをそのまま実行するという意味ではありません。これをベースに「あいさつ」「約束」「Aクラス顧客への定期訪問・コンタクト」「新規顧客開拓」などの規律を経営者として、従業員へ徹底できないようであれば、収益強化策を立案してもきちんと遂行されるかどうか疑問です。

(7)業務プロセスの見直し

収益強化策を効果的に行うには、既存の組織ややり方を見直す柔軟な発想力が必要です。

(8)常顧客(優良顧客)化推進

新規顧客を開拓するコスト、数分の1以下で売上を達成できる常顧客(優良顧客)化の推進を常に心がけます。

まとめ

売上規模の拡大志向から収益重視の経営を実現するために解決すべき課題と収益力をあげるために行うべきことのポイントについて解説しました。収益力の強化対策は単純明快ですが、それを遂行することは極めて難しいというジレンマがあります。そのため、多くの企業では掛け声だけで終わっています。しかし、今回解説した考えで継続して実行すれば収益性の高い事業への変革が可能です。

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