ビジネス2016年6月20日

中小企業を取り巻く環境の動向と飛躍のための課題

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中小企業の最新の売上、利益の動向と中小企業が飛躍するために解決すべき、あるいは取り組むべき課題に関して解説し、今後の中小企業が厳しい時代を乗り切るための経営上の参考になる情報について紹介します。

中小企業を取り巻く最新の環境・動向について

中小企業庁が2016年4月に発表した中小企業白書によると製造業においては、従来中小企業は大企業との依存関係のもとで受託加工を中心に比較的安定した事業経営を行えてきましたが、グローバル化の進展などでその関係が変化。これにより、中小製造業企業は自ら市場開拓する必要性に迫られています。

小売業においては通販の拡大で販路のオムニチャネル化の推進が求められています。一方、中小企業にもインターネットの活用で大手小売業に対抗できるチャンスが拡大しています。経常利益に関しては、中小企業全体ではリーマンショック後の2009年を底に右肩上がりの動向を示していますが、大企業に比べると伸び率は低くなっています。

売上に関しては低水準なレベルで横ばいから微増トレンドです。規模拡大による売上志向から経費削減、効率重視による収益志向へ動向が顕著です。また経営維持のためにそれを余儀なくさせられている傾向が伺えます。中小企業庁は、「中小企業でも賃上げは行われているが人手不足感が強まっている。また、設備投資も伸び悩み、中小企業の設備の老朽化が進む。こうした状況を踏まえれば、省力化・合理化による攻めによる売上拡大などを通じて稼ぐ力を高める必要がある」と述べています。

中小企業が抱えている主要な課題

中小企業が抱えている課題は、中企業庁の報告や商工組合中央金庫の調査結果をまとめるとたくさんあります。主なものは「販売力強化」「新規顧客・販売先の開拓」「優秀な人材の確保・人材の育成・人手不足」「既存顧客の販売先の見直し・事業の絞り込み」「コストダウン・販売価格引き上げ」「技術開発」「国内需要の減少・低迷・競争激化」「従業員の高齢化」「設備の老朽化」などです。

過去の調査結果から時系列に見ると「人手不足」を課題にあげる中小企業が2010年から約7倍に伸びており、その比率は約36%です。「国内需要の減少・低迷」を課題にあげる中小企業が約50%、「国内市場での国内企業同士の競争激化」を課題にあげる中小企業が約36%に次いで高くなっています。この率は製造業は約25%に対し、非製造業では約40%強と大きく異なり非製造業にとって大きな課題になっています。

中小企業の経営力は人に対する依存度が低く組織力に経営できる大企業に比べると、人に依存する部分が高いので深刻な問題を将来、多くの中小企業にとって大きな影響をもたらす可能性があります。人材育成や人手不足は中小企業にとって永遠の課題ですが、その深刻度が上っています。

課題に対する中小企業の対策

中小企業が抱える課題に対して、中小企業が取り組もうとしている対策には以下の5つがあります。

  • (1)売上を無理に追うのではなく現状の売上で収益力を強化
  • (2)高付加価値需要の取り込み強化
  • (3)事業を効率化し価格優位性の確保
  • (4)新品開発による国内市場の開拓強化
  • (5)マーケティングを見直し国内市場の開拓強化

ここからは売上重視から収益重視。国内マーケット重視が強く伺えます。これらの対策を行うための具体的な方法論として以下の6つがあります。

  • (1)新販路・新市場の開拓
  • (2)人材教育の充実
  • (3)新製品・新サービスの開発
  • (4)製品価格・仕入戦略の見直しなどによる製品・サービスの高級化・高付加価値化の推進
  • (5)技術開発力・生産技術の向上
  • (6)人事・給与体系の見直しおよび人材の確保

いずれも常に普遍的に取り組まねばならないテーマです。対策・方法論を実行できるプランに落とし込んで、少しずつでも良いので実行できるようにしていくことが重要です。多くの企業は対策や方法論までを作成しますが、実行できるプランに落とし込めていません。対策・方法論を多数作るよりも1つ実行できるプランを作成することが大切です。

まとめ

中小企業が抱える課題とその課題を解決するために中小企業が取り組もうとしている対策、方法論について紹介しました。課題をあげて、その対策や方法論までは比較的簡単に多くの中小企業が立案します。しかし、それを実行できるプランに落とし込める中小企業は多くありません。重要なことは実行できるプランを着実にやり切ることが大切なことを紹介しました。

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