マネジメント2016年6月29日

従業員の勤務が長く続かない理由と早期離職の防止策

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従業員の中でもとりわけ若年層の勤続が短くなる傾向が続いています。厚生労働省のデータによると、新卒で3年以内に会社を辞める人は年度によって異なりますが、大卒で平均約30%、高卒で約50%、短大卒はその中間です。
わずか3年で3分1から2分の1の新卒者が会社を去っていきます。企業にとって3年間社員教育を一生懸命行って、ようやく戦力となる頃に辞められては大きな損失です。早期離職を防ぐ効果的な対策を立てるには、まず勤務が長く続かない理由を知ることが重要です。早期離職を防ぎ、人材を活用する方法について解説します。

従業員が会社を辞めたくなる理由

従業員の勤務が長く続かない理由には、企業側で対策が立てられるものと、企業として対策の立てようがないものの2つがあります。後者については、たとえ対策ができなくても知っておくことが大切です。主な離職理由には以下があります。

1. 対策が立てられる早期離職の理由

1-1 労働時間などの労働条件が悪い、雇用時の話と労働条件が異なる
残業が多い、休みが取りづらい、給与が低い、給与の支給条件が不明確な場合。

1-2 上司の仕事のやりかたが合わない
上司の部下に対する業務の指導・教育や的確な指示がない、上司の業務のやり方がいい加減など従業員に評価されていない場合。

1-3 職場の人間関係が悪い・社風が合わない
人間関係をうまく築けないのは、個人の資質にも依存しますが、ここでは個人の資質とは関係なく企業風土に根ざしている場合です。例えば、体育会系のような上下関係の厳しさ。ノルマがきつい。指導ではなく感情的に怒る。仕事の配分が社員間で均等ではない。和気あいあいとした風土ではないなどの場合。

1-4 仕事の内容が合わない、面白くない
個人的な理由を除いて、従業員の希望と異なる仕事、業務にあたらせ、仕事のやらせ方が一貫していないなどの場合。

1-5 昇進など評価への不満
昇進や給与など公平な評価ができていない、あるいは評価の内容を従業員にきちんと説明できていない場合。

1-6自己成長・スキルアップが見込めない
従業員が意欲に燃えていても、その従業員の意欲に応えられない企業の制度、体質がある場合。

2. 対策が立てられない早期離職の理由

主に、以下のような理由があります。

2-1 社会的な年功序列制度の崩壊
2-2 転職情報の氾濫・また正規社員をあきらめれば転職もしやすい環境
2-3 結婚の高齢化・結婚しない率の増加で職に固執しなければならない理由の欠如
2-4 親の経済的余裕による過保護で無理に働く意欲の欠如

離職を防止し勤務を続けたくなる会社にする方法

早期離職を防止し勤務が長く続くようにするには、以下の4つを行うことが求められます。

1.労働条件の明確化と遵守、公正な評価を行うこと。
2.従業員と上司の間の不満解消について、経営者が率先して解決を図ること。
3.給与などの労働条件の向上は経営課題として売上・利益との連動性を図ること(経営が不安定であればボーナスで利益が上れば増加することを明確に示すこと)。
4.従業員の労働意欲の源泉を把握し、それに応えられる制度を設けること。

いずれも実施することは簡単なことではないですが、姿勢を示すだけでも大きな効果があります。また、経営者自らがビジョンを持ち、熱く従業員に語り、ビジョンの達成が従業員の幸福につながることを明確に示すことも非常に重要です。そして、経営者が従業員を含む企業全体の繁栄と幸福を願い、それを口頭だけ伝えるのではなく制度として、できるだけ目に見えるようにすると従業員のモチベーションが上り離職の防止効果が期待できます。

厚生労働省の離職防止支援策の紹介と活用方法

厚生労働省は従業員の職場定着・就業継続に対する支援策として、「働きやすい・働きがいのある職場づくり」「魅力ある職場づくり」「労働条件・職場環境に関する情報提供」「賃金や労働時間など労働条件に関する情報提供」「働き方・休み方の改善策」など、さまざまな情報の提供を行い従業員の定着を図る支援を行っています。

また、「職場定着支援助成金」「従業員の処遇や職場環境の改善を図る場合の助成金」「労働時間・賃金・健康確保・勤労者福祉関係の助成金」などの各種助成金の利用ができます。さらに、ハローワークには離職や職場定着はどうすれば良いかなどを相談する窓口があります。

中小企業では、経営者自らが率先して経営課題に取り組むことが最重要と考えて、従業員の離職や従業員教育を軽視している経営者が多く存在します。しかし、企業を大きく伸ばすには、経営者だけの頑張りでは限界があります。経営者は、従業員の早期離職を防ぎその能力を育成し、さらにパワーを結集することに多くの時間を割くことが極めて重要です。

まとめ

従業員の離職理由を明らかにし、その離職を効果的に防止する策と勤務を続けたくなるようにするための考え方について紹介しました。また、離職に関して厚生労働省が提供している支援策について簡単ですが紹介しました。

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