企業の成長を支えるタレントマネンジメント

JQ160

人材開発の分野で、「タレントマネンジメント」という言葉が注目されています。米国で始まったものですが、最近では日本にも浸透しつつあります。定義としては「現在及び将来の組織の目標を満たすタレントの種類を特定し、人の資質/才能を育成/維持する事」です。この場合のタレントとは「会社に貢献できる特性を持つ全社員」を指し、これらの社員を企業の持続的な成長を支える人材として、戦略的に育成し、全社的に活用していくのがタレントマネンジメントです。

何故日本で必要とされるか?

現在、日本でも優秀な人材は転職を繰り返してキャリアアップを図るようになっています。又、労働人口の減少、グローバル化の進展、仕事に求められるスキル/知識の変化によって、後継者人材が育たない、スキルの変化についていけない社員が続出した、等の問題が発生しています。その処方箋となるのが、タレントマネンジメントであり、次のような特徴を持っています。
1) 社員一人ひとりの特徴に着目した管理を行う
2) キャリア開発と適材適所を進める事で社員のモチベーションを高める
3) 戦略推進と持続的成長をつなげる全社的かつ統合的な取り組みを行う
導入した企業では、離職率の低下、一人当たり生産性の改善、目標やプロジェクトの完了率の上昇、等の効果が報告されています。

人材を最速で成長させる手法です

日本企業では、徐々に能力主義に移りつつあるとはいえ、年功序列が一般的です。「君が優秀な事は分かっている。しかし、部長になるには順番があるから、あと3年待ってほしい」と優秀な人材がポジション待ちで活躍できないケースもあります。しかし、優秀とわかっている人材を待たせるのは、企業にとっては人材の無駄遣いです。優秀な人の能力を最大限活用できる場所を早く見つけて、早くチャンスを与える事が重要なのです。具体的には下記の様な事を行います。

  • 後継人材のパイブラインの強化(次世代リーダー候補の選抜要件を決める、選抜プロセスが明確にする、広い視点で候補人材の能力発揮状況や周囲への影響力の発揮度合を確認できるようにする)
  • ロールの明確化及び希望のロールへのチャレンジ要件の明確化(主要な役割につくのに必要な要件/資格が整理/公開されている、自分がチャレンジしたい役割と自分の能力を比較し自分に足りないスキルの確認ができる状態にある)
  • 事業戦略と業績指標とのリンク(事業戦略に連動した業績指標が設定されている。従業員のパフォーマンスがリアルタイムでマネジメント層に提供され、事業に必要なタレントの育成状況をマネジメント層が確認できる)
  • どのように実現化していくか?

    タレントマネンジメントを実践するには、人材計画の目標を設定する必要があります。事業計画に目標があるように、人材計画にも目標があるべきなのです。企業により、目標とする人材は異なりますので、まず、企業がどのような人材を、どのタイミングで必要するか、という目標を設定します。そして、それに向けて採用や育成を行い、人材計画がどのように事業の成長に貢献できたかを評価するのです。
    又、人材戦略と評価制度を整備する事も必要です。「社員が企業に求めるもの」と「企業が社員の与えるもの」のミスマッチが起こると、人材の流出が起こります。そのため、上司の部下への関わり方が重要です。部下の志向や特性を把握し、そのミスマッチの解消に努める必要があります。又、社員が求めるものを、企業が与えられない場合は、社員がどのような努力をすれば与える事ができるようになるか、を上司と部下が一緒に考える事も重要です。

    まとめ

    タレントマネンジメントは、組織の維持を図り、中長期的な成長を図るためのツールとなります。競争の著しい現代の中で企業が生き残り、業績を上げ続けるためにも役に立つ手法なため、是非、導入を検討して頂きたいと思います。