パート2016年8月9日

パートでも産休が取れる?産休に対する企業の責任とは

JV129

「産休」や「育休」といったモノは、正社員の方のためにある制度だと思ってらっしゃる人も居るかもしれませんが、全労働者を対象としているので、当然パートタイム労働者にも取得する権利があります。

雇用している企業側はどういった条件でパートさんに産休を出し、どういった対応をすべきかをご紹介します。

産休の条件と申請時の対応

産休とは、労働基準法で定められており、妊娠した全労働者が取得することができます。
また産休は、出産予定日の6週間前から取得できる「産前休業」と、出産翌日から8週間は就業することを禁止されている「産後休業」に分けられています。

「産前休暇」は出産当日も含まれており、双子・三つ子などの多児出産の場合は6週間ではなく14週間前から申請すれば取得することが可能です。
また、「産後休業」は本人の申請と医師の認定があれば8週間ではなく6週間後から就業が可能です。
有給中の給与の支払いに関しては、会社によって異なります。

産休前にも企業側は妊娠中の労働者に対し、健康調査のための時間を確保しなければなりません。
妊娠23週まで「4週間に1回」、妊娠24週~35週まで「2週間に1回」、妊娠36週~出産まで「1週間に1回」の確保が必要で、医師によって異なる診断がされるケースもあります。

企業側が注意しておかなければならない「禁止事項」

基本的に、正社員・パートタイマー問わず、産休の申し出を雇用者側は断ることが出来ません。

ただ、無期限雇用が一般的な正社員とは少々違い、パートタイマーは雇用する期間が事前に決まっている有期雇用であり、その期限が産前6週間前に切れてしまう場合は産休や復職といったことを当然ながら考えなくてもいいのです。

パートタイマーといえど労働者が産休を取得する、といった理由で雇用側は解雇をしてはいけませんし、産前・産後休暇から30日間に解雇することも禁止されています。

「働きたい」という労働者側の要求にも応えなければいけませんが、万が一のこともありますので、妊婦さんの体調などに配慮し普段の勤務よりも楽な場所への配置転換やケアが必要な場合もあります。

近年では、妊婦さんに対する嫌がらせを指す「マタニティ・ハラスメント(マタハラ)」という言葉も生まれ、少子化の中で妊婦さんのケアを行っていくべきである、という風潮が日本社会の中に存在します。
働く妊婦さんのケアをスムーズに行うためにも、普段からコミュニケーションの取れる職場環境の整備を行うことが重要でしょう。

事前に決めておくべきルール

「育休取得の推進」などが注目されている一方、現実的にパートタイマー労働者が育休を取りにくいのは現実にあります。
反面、取りにくい環境があるからこそ、その環境が問題視されています。産休・育休の取得だけではなく、復職後の待遇などに関した訴訟も増加しています。

平成27年には、休業後に労働者側が復職を希望したにも関わらず、雇用者側が退職通知を一方的に送付し出社を妨げた案件に関し、東京地裁は雇用者側に出社できなかった期間の給与を支払う命令を出しました。
こういったトラブルは多数存在し、社会問題になることもあります。

トラブルを避けるためにも、事前に労使間でルールを決定し、個別に伝えておきましょう。産休前の妊婦さんにも、状況に応じて雇用側は診察の時間を取らなければなりません。

ただ、妊娠中の体調に関しては個人差が多く把握が難しいため、医師に「母性健康管理指導事項連絡カード」を記入してもらい提出させることで状況を把握することができ、スケジュールも立てやすくなります。

給与の面に関しても問題になることが多いので、労使間で事前に「産休中の給与」の詳細を議論しておきましょう。
ただ、産休中の給与支払いは義務ではありませんので、有給休暇をあてたり無給とし事前にかけておいた社会保険の中から、「出産手当金」などの給付を受けるといった内容にしている企業も多く存在します。

まとめ

企業の負担が多いと感じてしまう産休。しかし、企業側にもメリットはあります。

まず、今まで仕事をしてきた人材を継続的に雇用できる点がありますね。そして、産休・育休の期間は、その社員に対しかけている社会保障費の支払いが雇用者側も免除されます。

なにより職場環境の改善を図ることで業務も円滑に進み、求人募集も行いやすくなります。
雇用者側も企業側も、きちんと「産休」に対しての知識と実践を深めてみてください。

関連記事

経営者が知っておきたいアルバイトとパートの違い... 求人広告で見かける「パート」と「アルバイト」。どう違うか疑問に感じたことはありませんか?  実は厳密な違いはありません。どちらも正社員に比べて短時間の労働者という意味です。ただし雇用契約の時に、従業...
中途採用に即戦力っているの?メリットとデメリット... 総務省の「労働力調査」によると、日本で一年間に転職する人の数は約280万人~350万人。 2008年までの転職者は大きく増加傾向にありましたが、その後はいったん落ち着き、近年は緩やかな増加をみせてい...
有給休暇はパートさんにも必要?知っておくべき有給休暇の規定... ライフスタイルの多様化から、雇用形態の幅も広がってきました。正社員の他に、「短時間労働者」であるパートタイマーという働き方も増加しています。「パートさんだから」と正社員と違った対応をとっていると、後々...
予め用意しておくべき、採用/面接のためのフォーマット... 新卒、中途を問わず、新しい人を雇い入れ、会社の一員となってもらうには、多くの手間がかかります。実際の雇用を行う際に、どんな事務手続きが必要かを調べ始めても、効率よく手続きを進める事ができません。そのた...