シニア・中高年2016年7月27日

再就職した中高年をコア人材に育てる

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65歳以上のシニアの比率が総人口に対して21パーセントを超え、日本はいま、超高齢社会を迎えています。現代では、中高年の働き方が問われるようになりました。

リストラや経営方針の変化についていくことができずに、離職する中高年も増えています。企業にとって中高年の受け入れは、困難な問題をはらんでいます。経営者はどのように中高年を活用していけばよいのか、シニアを活用して職場を活性化するコツを紹介します。

シニアは俯瞰能力と直観的判断に優れる

中高年の社員を活用できない背景には、経営者および社会的な偏見が障壁であることも少なくありません。管理職として有能だったとしても、若手社員と比較して行動力に劣り、結果を出せない能力の低下を問題視するからです。

もちろん、中高年の体力が低下している事実は否めません。また、シニアの転職では、管理経験がない場合、特別な専門能力がなければ再就職できないことが現状です。

しかし、中高年にしか発揮できない能力があります。そのひとつが、俯瞰能力です。

仕事の経験を積み重ねているため、幅広い視野で仕事全体を見渡すことができます。若手社員は視野が狭く、短期的な結果に注目しがちですが、幅広く長期的な視点から判断できます。

もう一つの特長は、直観的判断です。キャリアが長いことから、何度も成功や失敗の修羅場を体験しています。そこで仕事の本質を見抜く社員が多いことが特長です。

企業が中高年を再就職として職場に迎えるときには、俯瞰能力と直観的判断を生かせるポジションを用意することが重要です。

コミュニケーションのハブとして活用

シニアの中には、頑固で、「最近の若者は…」と批判しつつ、実際には何も仕事をしない印象があります。悪い言葉では、いわゆる「老害」です。大手企業の管理職に多いと感じられる人材像です。

しかし、若手の規範となる立派な人材もいます。仕事やプライベートに関わらず、適切なアドバイスを与えられるコミュニケーション能力も長けています。

このような中高年を再就職によって迎え入れ、職場の「知恵袋」としてアドバイザー的な役割を担うことも可能です。

中堅社員と若手社員がぎくしゃくした関係にある会社では、世代間をつなぐコミュニケーションのハブ(中核)として、重宝されることもあります。

そのためには営業職や管理職で多くの折衝の経験があり、新入社員などの人材育成に注力していた人材に注目する必要があります。仕事の結果を出せるかどうかより、徳の高い人間性を採用の軸とします。

再就職してもらい「生涯現役」を貫いてもらう

『マイ・インターン』という映画をご覧になったことがあるでしょうか。

ジュールズ(アン・ハサウェイ)が社長として勤務するEコマースの企業に、40歳も年上のベン(ロバート・デ・ニーロ)が高齢者のインターンとして入社します。

社会貢献の評価を高める制度として採用したため、彼に仕事はありません。

しかし、仕事を与えられなくても、郵便物の配達など些末な仕事を手伝い、同僚の相談を受けるなど、能動的に自分から周囲に働きかけます。さまざまな新しいことに挑戦して学んでいきます。

中高年の再就職の理想は、あの映画のベンのような人材像ではないでしょうか。彼は前職で高い役職にありましたが、決して驕らず、仕事を通じて学ぶ姿勢を忘れません。

人生は学ぶことの連続です。中高年の意識改革も必要になります。仕事で生涯現役を貫き、謙虚に学び続けて成長することが幸福につながるフィロソフィ(哲学)を、経営者は指導する必要があります。

まとめ

中高年の社員には、若手社員や中堅社員にはない俯瞰能力や直観的判断、コミュニケーション能力などのスキルがあります。中高年の再就職を成功させるには、経営者が「コア人材」に育てる指導を行うことが大切です。