パート2016年7月27日

有給休暇はパートさんにも必要?知っておくべき有給休暇の規定

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ライフスタイルの多様化から、雇用形態の幅も広がってきました。正社員の他に、「短時間労働者」であるパートタイマーという働き方も増加しています。「パートさんだから」と正社員と違った対応をとっていると、後々に訴えられたり行政指導を受けたりと面倒なことになりかねません。

2007年に改正された「パートタイム労働法」では、「正社員と同一の職務内容」「人事異動等の範囲・有無といった人材活用の仕組みが正社員と同一」という条件であれば、正社員と差別した待遇は許されません。

そもそも、「有給休暇」とは?

年次有給休暇とは、「心身の疲労を癒やし、ゆとりのある日常を保障することを目的とした給料が支払われる休暇」のこと。年次有給休暇の決まりがある労働基準法39条では、「使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない」とされており、この「労働者」に正社員とパートタイマーの区別は無いのです。

法律上、「休日」と「休暇」の意味は違います。「休日」とは、法律上定められている「法定休日」のことで、事前に決められた休日を働かせようとすると割り増しの給与を支払わなければなりません。最低でも週に1日、4週間に4日が法定の最低休日であり、この休日に労働をさせれば35%の割増賃金を支払うことになります。「週休2日」と決められていれば、その分でも25%程度の割増賃金を支払わなければなりません。

「休暇」とは、上記の通り設定された休日以外でも、心身を癒やすために労働者側が自由に設定できるお休みのことです。ただ、有給休暇は「計画的付与」を行っている企業も存在します。有給休暇を個々の労働者全員から自由に申請させるのではなく、雇用者側が計画的に与えるためには、労働組合もしくは労働者の代表と「労使協定」を結ぶ必要があります。

「計画的付与される有給休暇の日数」、「計画的付与される有給休暇の期間」、「対象になる労働者」、「対象にならない労働者の対応」、「計画的付与される有給休暇が変更される場合の対処」、「具体的な方法」などを細かく決めた上で、計画的付与される有給休暇の労使協定が決まります。

全員の有給休暇を一律にコントロールできませんし手間は掛かるかも知れませんが、繁忙期に必要な人材を確保しておく手段の一つといえるでしょう。

有給休暇を取得する条件

原則として、正社員もパートタイマーも雇用開始から半年以上勤務をし続けられれば有給休暇の取得が可能です。取得しないと有給休暇の日数はたまっていきますが、2年間で消滅してしまいます。

有給休暇の取得日数は、勤務している日数に比例します。取得する権利は正社員と同等ですが、パートタイマーの場合は勤務時間や労働日数が短いため、支払わなければならない賃金も安価で済み、取得できる休暇の日数も短いのです。

近年問題になり始めた「有給休暇」の常識

昔は「有給休暇というのは企業側が善意で与えている」、「特段の理由が無ければ有給休暇を取得すべきではない」といった感覚がありましたが、有給休暇とは労働基準法で定められている休暇で、「労働者側の都合で取得することが当然なお休み」なのです。こういった認識は若年層を中心に広がっています。

有給休暇を取得する際に「なぜ休むのか」といった質問をする職場も未だ多く存在しますが、有給休暇を取得する際に理由は必要ありません。労働者が休みたいと思ったときに取得できる休暇であり、雇用側が「そんな理由では休ませられない」という風に断る事は原則的にできないのです。

取得できる日数など休暇の内容に関しては事前に雇用者側から労働者側へ説明しておく必要があり、明確に説明しておくことが後々のトラブルを避けるポイントです。

一切説明することなく、有給休暇を取得し難い職場環境だと辞める際に一気に取得されてしまう可能性もあり、断ったとしても有給休暇を取得する旨の内容証明を送りつけられてしまえば防ぎようはありません。

まとめ

適正な休暇・休日を与えず過重な労働を課す「ブラック企業」が社会問題化し、労働形態の多様化も影響していることから、近年の労働者には「給与や福利厚生の充実よりも休暇・休日がしっかりと取得できる企業」を好む傾向があります。

求人情報で給与を上げても求人は集まらなかったが、休暇・休日をハッキリと設定すると求人応募が来た、というケースも。

無理に働かせるのではなく、雇用者の休暇に関してもしっかりとケアすることが企業側のメリットになる場合があります。

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