アルバイト2016年8月28日

アルバイトに対する所得税の正しい税務手続きの方法

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アルバイトを雇用したとき、アルバイトに支払う給与から所得税を源泉徴収する手続きを正しく行っていますか? アルバイトを雇用している企業のなかには、短期間だから、あるいは長期間であっても少額だからなどの理由で源泉徴収を行っていないケースがかなり見受けられます。

しかし、給与を支払えば所得税の源泉徴収手続きが原則として必要です。手続きをしていないことが分かると最悪は罰則を課せられます。

今回は、アルバイトに支払う給与の所得税の源泉徴収手続きについて説明します。

アルバイトへの給与も源泉所得税の徴収が必要な理由

アルバイトへの所得税の源泉徴収が必要な理由は、アルバイトへの給与の支払いも税法上は、正社員への給与の支払いと同じ取り扱いを受けるからです。

そのため、正社員に対して行っている所得税の源泉徴収手続きと同様の手続きをアルバイトに対しても行わねばなりません。所得税の源泉徴収は、アルバイトやパートに対して支払う金額が少ないからといって、源泉徴収しなくてよいとは税法のどこにも規定されていません。

仮に、アルバイトから、所得税は自分で申告して納税するから「源泉徴収しない額を支払ってほしい」と依頼されることがあっても、きちんと源泉徴収しないと罰則はアルバイトに対してではなく、給与の支払者に対して課せられます。

アルバイトへの所得税の源泉徴収事務の注意点

アルバイトの所得税の源泉徴収を行う場合、次の点に注意しなければなりません。

1.扶養控除等申告書の提出の有無による所得税の徴収金額

所得税の源泉徴収は必ず必要ですが、アルバイトに「扶養控除等申告書」を提出してもらえば、現行の制度では88,000円以下の支払金額に対しては源泉徴収する必要がありません。
「扶養控除等申告書」の提出がなければ、支払った金額に対して現行制度では、3.063%(所得税+復興特別所得税)を源泉徴収しなければなりません。

なお、88,000円以上の給与額に対する源泉徴収額は、給与の額に3.063%を単純に掛けた金額ではありません。税額を知るには、国税庁の給与所得の源泉徴収税額表(月額表)を見なければなりません。
この表で「扶養控除等申告書」の提出者に対する88,000円以上の税額も分かります。

「扶養控除等申告書」の未提出者は、給与所得の源泉徴収税額表(月額表)の「乙欄」「扶養控除等申告書」の提出者は「甲欄]に記載されています。

2.アルバイトへの給与を日払いまたは週払いで支払う場合の所得税の徴収金額

日払いまたは週払い給与を支払う場合は、給与所得の源泉徴収税額表(日額表)を使用します。
なお、日額表には、月額表にはない「丙欄」があります。「丙欄」に記載されている金額は、アルバイトを日雇いで雇う場合、もしくは2カ月以内の短期雇用の場合に使用します。

アルバイトの所得税の徴収手続きをしなかったときの罰則

もし、アルバイトに対する所得税の徴収手続きをしなかったときに、それが税務署に分かると、延滞税が課せられ、納期に遅れると不納付加算税が課せられます。

延滞税は低金利の現代には異常なほどの高金利です。納付期限(原則翌月10日)の翌日から2カ月を経過する日までは原則「年7.3%」。
ただし、現行制度では特例で2015年1月1日から2016年12月31日までの期間は年2.8%。2カ月を経過した日以降の期間に対しては原則「年14.6%」。ただし、同じく特例があり2015年1月1日から2016年12月31日までの期間は年9.1%となっています。

また、納期限に遅れた場合に課せられる不納付加算税も延滞税に加えて徴収されます。

自主的に納付した場合、源泉所得税の5%、税務署の指摘で納付した場合は10%です。なお、「不納付加算税」には免除の規定があり免除されることがあります。
税務調査は数年ごと行われるのでアルバイトを多数長年にわたって使用し源泉徴収していないと、罰則で支払う金額が高利なために多額になります。

まとめ

アルバイトへの給与に対する所得税の源泉徴収は、アルバイトだからあるいは金額が少ないからという理由に関係なく、原則として必ず必要なこと、および源泉徴収を行わないと多額の延滞税、不納付加算税を課せられることを紹介しました。
手続きは多少、面倒になりますがしっかりと源泉徴収を行うようにしましょう。

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